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  • Kento Maruyama

【年間ベスト】2019年のデスコアシーンをプレイリストと共に振り返るVol.1

今年はデスコアバンド達も、若手から中堅〜ベテランまでリリースラッシュが相次ぎました。

昨今よく感じるのは、バンドが様々なサブジャンルからの影響を消化した独自のサウンドを提示するべく試行錯誤を凝らしていること。


SpotifyやYoutubeといったメディアやサブスクリプションサービスにおける評価がバンドの印象を決める大きな要因になっており、

サブジャンルとのクロスオーバーを意欲的に狙ったサウンドや洗練されたビジュアルイメージなど、明確なコンセプトを持ったバンドが増えてきました。


今回はそんなデスコアシーンを振り返るため、プレイリストと共に今年リリースとなった作品や楽曲を少しずつ紐解いてみようと思います。


🖋By Kento Maruyama

▲プレイリスト▲

Thy Art is Murder - New Gods

Whitechapel - When a Demon a Witch

Enterprise Earth - We Are Immortal

AngelMaker - Hollow Heart

Within Destruction - Human Defect

We Are Obscurity - The Cleansing

Traitors - Ruthless Hate

Spite - The Offering

Shrine of Malice - Carnal Beast

Mental Cruelty - Mundus Vult Decipi

Infant Annihilator - Three Bastards

I Declare War - Grieve for No One

Gamma Sector - Leatherbound

Fit For An Autopsy - The Sea of Tragic Beast

Brand of Sacrifice - The Branded

Bound in Fear - The Rot Within (FT. Alex Teyen of Black Tongue)

After The Burial - Behold The Crown

Betraying The Martyrs - Eternal Machine

The Last Ten Seconds of Life - Sweet Chin Music (FT. Jamie Hanks of I Declare War)

Lorna Shore - Death Portrait

***

オーストラリアを代表する存在へと成長を遂げたThy Art is Murderの新作はシーンでも話題となりました。

CJ McMahonnの復帰以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中を虜にしている彼ら。

デスコアバンド達が独自のサウンドを生み出すべく試行錯誤する中、Thy Art is Murderは変わらず硬派なサウンドを提示してきたことにも驚かされました。

デスメタリックで切れ味の鋭いリフワークは更に磨きがかかり、ブレイクダウンをテンポ良く織り交ぜていくまさに王道のサウンド。

とことんデスコアとしての様式美を追求したような潔さのある作品で、そのクオリティーも素晴らしかったです。

クリーンボーカルを取り入れて物議を醸していたWhitechapelは、更にその方向性を推し進めた独自路線を展開。

プロデュースはMark Lewis、ミックスにDavid Castillo、マスターにTed Jensenと盤石の布陣で製作が行われました。

Phil Bozemanのクリーンは独特の艶っぽさがあり、それを活かした情感のあるサウンドとデスコアの持つ攻撃性をミックスした本作は、リスナーにどう響いたのでしょうか。

前作より破壊力が増しているので、断固クリーンボーカル拒否なファンを除いては、レベルアップを感じる作品になったと思います。

Infant Annihilatorで極悪ボーカルを披露していたDan Watson率いるEnterprise Earthも3枚目のフルアルバムリリースとなりました。

初期の冷徹なサウンドから、徐々にメロディックな方向性にシフトしていった印象でしたが、本作ではその傾向が更に明確に。

冷たくダークな質感と怪しげなメロディーをブレンドさせた本作は、とても不思議な感覚にさせられるアルバムに仕上がりました。

Danは相変わらず甘いマスクで恐ろしいボーカリゼーションを披露します。

カナダのデスコアホープAngelmakerは実に4年振りの新作となりました。

本作も引き続き自主製作でリリースとなりましたが、彼ららしいファニーな側面を維持しつつ、ツインボーカルで叫びまくるスタイルは、独自のエクストリームな音像を演出することに成功しています。

同郷のDespised Iconも2人で叫びまくるスタイルですが、彼らよりもさらにやかましく高低を行き来するため、激烈感は増し増し。

来日も果たしたWithin Destructionは3年振りのフルアルバム。

ブルータルデスやスラミングデスを軸にしつつ、それらの要素をデスコアリスナーにも届き得るキャッチーさとファニーな側面を併せ持った彼らは、シーンにおいても重要な存在になるかもしれません。

自主製作となった本作はUnique Leader Recordsからもリリースされることになり、彼らの注目度が伺える作品となりました。

ロシアのWe Are Obscurityはまさに待望のデビュー作となりました。

結成当初は、Slaughter to PrevailのAlexやMaxim、Antonといったメンバーが参加していましたが、彼らとは離れる形となり、

現在のメンバーは、ボーカルRoman Korchevskiyと、ギター・ベースを兼任するDmitry Mamedovによるプロジェクトになっています。

ロシアらしい激烈感の強いテクニカルサウンドとスラム要素を織り交ぜつつ、Alexもびっくりのボーカルワークを見せるRomanが見事。

メンバーをしっかりと補填して活動を頑張ってほしいです。

フロリダのダウンテンポ帝王Traitorsは、電撃復活作『Anger Issues』に続き、3枚目のフルアルバムをドロップ。

ダウンテンポなヘヴィネスとグルーヴをとことん追求したサウンドと、パワフルすぎるTyler Sheltonの咆哮は相変わらずヤバすぎる。

圧倒的なヘイトを詰め込んだその作風は昨今のニューメタルコアサウンドをも飲み込みそうな予感がします。

フロリダのシーンを語る上ではやはり彼らは外せません。

デスメタリックハードコアサウンドを奏でるSpiteは前作に引き続きStay Sick Recordingsから3枚目のアルバムをリリース。

縦ノリ感とグルーヴに全振りしたようなサウンドと、狂気染みたスクリームでゴリ押しするその音楽性は、3作目とあってかなり貫禄が出てきました。

怪しげなメロディーや派手なギターソロの導入など、さらにクセを強めながらノリやすさを忘れないSpiteサウンドは色んな人に薦めてみたいです。

Chug CoreからリリースされたEPで瞬く間に話題となったブラッケンデスコアの新星Shrine of Maliceのデビューアルバムは、トータルタイム1時間超えの大作に仕上がりました。

10代の若々しいボーカルが放つデモニックなハイピッチシャウトはかなり独自性が高いです。

長尺な曲が多く玄人向けの作品かもしれませんが、Lorna Shoreなどのサウンドが好きな人には是非チェックしてもらいたいバンドです。

ドイツのスラミングデスコアバンドMental Crueltyは、Unique Leader Recordsに移籍を果たし、2ndアルバムのリリースを果たしました。

スラミングデスからの影響を色濃く感じさせつつも、シンフォニックなアレンジやテクニカルな爆走でメリハリを付けたサウンドは更にレベルアップし、今後更に人気が出ると確信させられた作品。

ボーカリストLuccaは各所でゲストボーカルを務めており、既にシーンにおいても確かな知名度を築き上げました。

イギリスが送る“エッグメタル”ことInfant Annihilatorは、前作と同じラインナップで3年振りとなるアルバムをリリース。

完全スタジオプロジェクトにも関わらず、その話題性と変態っぷりで世界中にファンベースを築くことに成功した稀有なバンド。

Aaron KitcherのマシンドラミングとDickie Allenの下劣なボーカルスタイルは相変わらず。

本作はギターがRings of Saturnのようなピロピロサウンドを奏でるようになり、前作にあったエグさは少し減退しつつも、オリジナリティー溢れるエクストリームサウンドを展開しています。

上に挙げた超絶ドラマーAaron Kitcherがミックスとマスタリングを務め、ベテランバンドI Declare Warも新作をリリースしました。

非常にメンバーが流動的なバンドですが、初期から徹底したダウンテンポスタイルを貫いています。

本作では爆走パートに磨きがかかり、極悪な落としとの対比が確実なレベルアップを感じさせる作品になっており、4作目以降ボーカルを務めているJamieのスキルも更に向上しているのが分かります。

デビュー時からインダストリアルなアレンジや不可解なリフワークなどで独自のダウンテンポサウンドを展開していたGamma Sectorは、Stay Sick Recordingsに移籍して2ndアルバムをリリース!

本作も独自路線が全開で、グチャグチャとしたダウンテンポサウンドと恐怖感を煽る装飾や唐突な爆走など、何でもありの彼ららしい作品に。

トレンドなど全無視で、他のどのバンドとも違う個性を持っているのが彼らの魅力。

聴けば聴くほど本当に面白いサウンドです。

名プロデューサーとして名高いWill Putneyが参加するFit For An AupopsyはNuclear Blastに移籍して新譜をリリース。

トリプルギターの絡み合う多重奏が魅力ですが、それを支えるリズム隊も非常にタイト。

ポストハードコア要素の感じるクリーンが導入されている曲がありますが、全く違和感なく調和させるのは流石だと感じました。

Djent〜ポストハードコアバンドのThe Afterimageが改名し、思いっきりデスコア路線にシフトしてきたことで話題となったBrand of Sacrificeのデビューアルバム。

ハーモニクスを聴かせまくったノイジーなサウンドと壮大なオーケストレーションが絡み合い、新たなエクストリーム路線を開拓したと感じさせられた作品でした。

デビューEP『Regicide』の極悪ダウンテンポが話題となったBound in FearはUnique Leaderとの契約を勝ち取ってデビューアルバムを完全させました。

Black Tongueが大々的に打ち出した“ドゥームコア”を彷彿とさせる、徹底的になスローな展開とBen Masonの咆哮が絡みつく重苦しいサウンドは、閉塞感で圧殺されてしまうかのような迫力を持ち合わせています。

どちらかというとメタルコアとして括られることの多いAfter The Burialですが、本作のハーモニクスをふんだんに用いたグルーヴ特化のサウンドはデスコアリスナーにも届きうるインパクトがあったのではないでしょうか。

オリジナルメンバーJustine Loweの急逝を乗り越え、着実にキャリアを積み上げた彼らにリスペクトの意を込めて、本記事にも掲載させて頂きました。

フランスのBetraying The Martyrsは着実なレベルアップを見せてきました。

地を這うようなグルーヴ感のあるリフワークを増やし、昨今のトレンドをしっかり取り入れながらも、彼ららしいドラマチックなナンバーで埋め尽くされています。

結成当初からデスコアにポストハードコアの要素を取り入れていた分、違和感なく様々なリスナーにアピール出来る強みがあります。

かなり早い段階でNu-Metalへの傾倒を見せていたThe Last Ten Seconds of Lifeは、過去作で積み上げてきたものを活かしつつ、デスコアとしての暴虐性を強めた作品をリリース。

これは初期のファンにはウルウルくる仕上がりになったのではないでしょうか。

ある意味このバンドは、かなり早いこと時代の先取りをしていたのだなと改めて痛感します。

Tom BarberのChelsea Grinへの電撃移籍で一時はどうなることかと思いましたが、後任にSigns of the Swarmで一躍デスコアシーンのトップに躍り出たCJ McCreeryの加入がアナウンスされた時は本当に驚きました。

2ndアルバムでブラッケンデスコアバンドとしての存在感を確立し、さらにCJの加入によって勢いをつけているLorna Shoreは必聴だ。

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